県西
開成町の防災情報
神奈川県の西部、足柄上郡の中央部にあり、東西1.7km・南北3.8km、面積6.55km²と県内で最も狭い町です。酒匂川と川音川がつくった扇状地の上流部にあたり、町内の標高は32m〜69mで起伏が小さく平坦です。町の東端を酒匂川が流れ、南部の小田急線開成駅を中心に市街地が広がっています。
- もとにした計画
- 開成町地域防災計画(本編・資料・様式編)令和4年3月改訂開成町富士山火山避難計画令和5年6月
- 確認日
- 全壊(大正型関東地震・冬18時)
- 1,860棟
- 重複を考慮した値。半壊1,360棟(県 令和7年調査)。町の地域防災計画が使う県の平成25〜26年度調査では全壊2,530棟
- 神奈川県 地震被害想定調査 資料1 p.10、開成町地域防災計画 第1編 p.22
- 用意すること建物・設備の耐震性と、食料・飲料水、消火・救出救助の資機材を確かめる(開成町地域防災計画 第1編第4章第3節第2① p.31)
- 停電(大正型関東地震・冬18時)
- 14,110軒
- 県 令和7年調査。神奈川県西部地震では60軒。町の計画(平成25〜26年度調査)では12,300軒
- 神奈川県 地震被害想定調査 資料1 p.67、開成町地域防災計画 第1編 p.22
- 用意すること止まると困る設備と、非常用電源・燃料の備えを洗い出す
- 酒匂川の想定最大規模の降雨
- 530mm(24時間総雨量)
- 要定川は336mm、仙了川は344mm。足柄上商工会と4町の事業継続力強化支援計画は、想定最大降雨時には町の半分が浸水すると想定されるとしている
- 開成町地域防災計画 第4編 p.321、事業継続力強化支援計画 別表1 PDF p.6
- 用意すること事業所の場所の浸水の深さと、家屋倒壊等氾濫想定区域にかかるかを、町の洪水ハザードマップで確かめる
- 富士山噴火の降灰
- 30〜50cm
- 町の富士山火山避難計画(令和5年6月)による町の降灰堆積深の予想。同計画の表1は、宝永噴火規模で30〜60cmの堆積としている。降雨時に30cm以上積もると木造家屋が倒壊する可能性があるとされる
- 開成町富士山火山避難計画 p.3・p.5・p.44
- 用意すること交通が止まり、従業員の出社・帰宅や配送が難しくなる場合と、屋内退避の体制をBCPに入れる
- 溶岩流の到達(大規模噴火・町北端)
- 5日と8時間
- 噴火からの予想到達時間。町役場は11日と8時間、町南端は17日と5時間。中規模噴火では町北端に17日で到達し、町役場・町南端には到達しない
- 開成町富士山火山避難計画 表2 p.4
- 用意すること溶岩流が町に向かう場合の、事業の移転先・重要な設備や書類の持ち出しの段取りを決めておく
自社の所在地で確かめる
このページは市全体の情報です。事業所・倉庫・現場の場所で何が想定されているかは、次の手順で確かめてください。
- 町の「開成町洪水ハザードマップ」(表・裏のPDF)で、事業所の場所の浸水の深さ、家屋倒壊等氾濫想定区域、浸水継続時間、避難所・浸水災害発生時一時避難場所を確かめる
- ハザードマップは内水氾濫を考えていないため、水路の近くや低い土地では、想定の区域の外でも浸水することがある前提で確かめる
- 酒匂川・要定川・仙了川などの洪水浸水想定区域の図は、県の洪水浸水想定区域のページでも確かめられる
- 国土交通省の「重ねるハザードマップ」でも、同じ場所の想定を重ねて確かめられる
- 開成町洪水ハザードマップで洪水に備えましょう!表・裏のPDF(平成31年2月発行、令和4年7月一部修正)。紙のマップは役場庁舎2階の地域防災課で配布
- 洪水浸水想定区域(神奈川県)
- 富士山火山防災マップ(神奈川県)
- ハザードマップポータルサイト(重ねるハザードマップ)
- 自然災害リスクマップで住所から調べる洪水・内水・土砂災害などの想定を、地点ごとにまとめて表示します
- 拠点リスク確認本社・倉庫・現場など、複数の拠点の想定を一覧表で比べます
拠点リスク確認で、自社の拠点を調べる住所を入れると、拠点ごとの地図と想定、確かめることをまとめて表示します。印刷して社内の資料にもできます。
開成町の自然災害リスクマップ
地図を準備しています
凡例洪水
洪水(想定最大規模)
- 0.5m未満
- 0.5〜3m
- 3〜5m
- 5〜10m
- 10〜20m
- 20m以上
土砂災害(警戒区域・特別警戒区域)
- 警戒区域(急傾斜地の崩壊)
- 特別警戒区域(急傾斜地の崩壊)
- 警戒区域(土石流)
- 特別警戒区域(土石流)
- 警戒区域(地すべり)
- 特別警戒区域(地すべり)
- アンダーパス・地下道
- 浸水しやすい道路(市の資料)
- 点線の縁は、位置が目安のもの
地図の上の「洪水」「内水」などを押すと、地図に重ねる想定が切り替わります。地図をクリックしても調べられます。入力した住所は、位置を調べるために国土地理院の住所検索に送られます。調べた地点の緯度・経度は、国土地理院・防災科学技術研究所の公開APIに送られます。当サイトには送られず、保存もしません。
事業所・倉庫・現場の場所を調べると、地震の揺れの確率と、洪水・土砂災害の想定をまとめて表示します。
出典:「ハザードマップポータルサイト」(https://disaportal.gsi.go.jp/)の配信タイル(2026.09.26に利用)、 防災科学技術研究所「J-SHIS 地震ハザードステーション」(確率論的地震動予測地図 2024年版・平均ケース、表層地盤)、国土地理院「浸水ナビ」をもとに当サイトが作成。 背景地図:OpenFreeMap © OpenMapTiles、地図データ © OpenStreetMap contributors。 地点の区分は、タイルの色から当サイトが読み取ったもので、国や自治体の判定ではありません。不動産取引の重要事項説明には使えません。
概要
事業所がまず確認すること
- 町の地域防災計画(令和4年3月改訂)の被害想定は、県の平成25〜26年度調査の値で、町の被害が最も大きいのは大正型関東地震です。このページの図は県の令和7年調査の値なので、社内で使うときはどちらの資料の数値かを添えてください。町は南海トラフ地震防災対策推進地域に入っています(臨時情報が出たときの対応は記事「南海トラフ地震臨時情報が出たときの事業所の対応」で扱っています)
- 町の東端を流れる酒匂川と、町内の要定川・仙了川の洪水が想定されています。酒匂川沿いには河岸侵食による家屋倒壊等氾濫想定区域があります。町内に土砂災害警戒区域はありません。事業所の場所を町の洪水ハザードマップで確かめてください
- 富士山が大規模噴火した場合、溶岩流が町全域に到達する可能性があり、降灰は30〜50cmと予想されています。溶岩流が町に届くまでの時間と、降灰で交通が止まる場合を、BCPで想定しておいてください
想定されている災害
- 地震町の計画は県の平成25〜26年度調査の11の地震を挙げ、町の被害が最も大きいのは大正型関東地震としている。町付近の断層は、塩沢断層帯・平山-松田北断層帯・国府津-松田断層帯に分けて長期評価が行われている。町の地盤はほぼ全域が締まった砂礫層で強い揺れを起こしにくいとされる一方、大規模な盛土の箇所では揺れが大きくなりやすい開成町地域防災計画 第1編 p.11・p.17・p.18〜23
- 地震液状化の危険性は全体として小さいとされるが、町最北部(南足柄市境)と酒匂川沿い(水辺スポーツ公園付近)は可能性が高いとされている。盛土地では局所的に液状化が起きる可能性がある開成町地域防災計画 第1編 p.17、第2編 p.54
- 風水害酒匂川(24時間総雨量530mm)、要定川(336mm)、仙了川(344mm)の想定最大規模の降雨で浸水想定区域があり、町のハザードマップには洞川(340mm)・狩川(364mm)の想定も重ねて載っている。酒匂川沿いには河岸侵食による家屋倒壊等氾濫想定区域がある開成町地域防災計画 第4編 p.321、開成町洪水ハザードマップ(令和4年7月一部修正)
- 風水害町内を流れる農業用の水路は幅0.5〜2m・深さ1m未満のものが多く、道路沿いや民家の間を流れるため、局所的な床下浸水や道路冠水の危険性がある。町の洪水ハザードマップは内水氾濫を考慮しておらず、内水の浸水想定区域図はない開成町地域防災計画 第1編 p.17、開成町「開成町洪水ハザードマップで洪水に備えましょう!」
- 土砂災害県の土砂災害警戒区域等告示図書(開成町)の表は「小計 0箇所」で、町内に土砂災害警戒区域・特別警戒区域はない神奈川県 土砂災害警戒区域等告示図書(開成町)
- 富士山噴火・降灰町の富士山火山避難計画は、降灰堆積深を30〜50cmと予想し、大規模噴火では溶岩流が町全域に到達する可能性があるとしている。降灰後の土石流が酒匂川をせき止めると、町の広い範囲で氾濫が起きるおそれがある開成町富士山火山避難計画 p.3〜5、開成町「富士山ハザードマップが改定されました」
- 停電・通信障害県の令和7年調査では、大正型関東地震で停電14,110軒(冬18時)。富士山の降灰では、降雨時に碍子の絶縁が下がって停電が起きる可能性がある神奈川県 地震被害想定調査 資料1 p.67、開成町富士山火山避難計画 p.44
業種ごとに見るべきところ
自社の業種を開いてください。
物流3項目
- 町内の緊急輸送道路は、県道78号(御殿場大井)、県道720号(怒田開成小田原)の一部、県道712号(松田停車場)(地域防災計画 第2編 p.56)
- 町の富士山火山避難計画は、道路上に火山灰が降雨時に3cm以上積もると、除灰車両が動けず除灰作業が難しくなるとしている(p.40)。降灰時は道路管理者が除灰を行う(地域防災計画 第5編 p.406)
- 町は、エース物流(株)小田原センターと、浸水災害発生時の一時避難場所としての使用の協定を結んでいる(資料編 資料18-1 p.96)
製造3項目
- 町の計画は、日本製紙クレシア開成工場・明治ゴム化成・酒匂川沿い堤防・小田急線の軌道敷などを、液状化の危険性がややある場所と推定している(地域防災計画 第2編 p.54)
- 危険物施設などの事業所は、施設の耐震化、危険物の流出防止、緊急保安体制の確立、防災訓練、防災資機材の整備などを行う(第2編 p.60〜61)
- 町内に高層の施設を持つ事業所は、酒匂川の氾濫などによる浸水のとき、町民の一時避難場所として施設の提供に協力する。町はパナック工業・トルク工業・南開工業・富士フイルム先進研究所などと協定を結んでいる(第1編 p.31、資料編 資料18-1 p.95〜96)
介護・福祉3項目
- 浸水想定区域内の要配慮者利用施設は、資料編に49施設(社会福祉施設16・学校や保育所など9・医療施設24。当サイトが表の行を数えた)が名前入りで載っている。施設の所有者・管理者は避難確保計画を作って訓練を行い、計画と自衛水防組織の構成員などを町長に報告する(第4編 p.322、資料編 資料17-7 p.92〜94)
- 町のページに、洪水時の避難確保計画の様式・記入例・チェックリストがある
- 富士山噴火のときの社会福祉施設の入所者・入院患者の避難支援は、原則として施設が行い、施設はあらかじめ避難計画を作る(富士山火山避難計画 p.40)
建設2項目
- 町は、災害時の応急対策業務の協定を結ぶ建設業関係企業を募集している。条件は、町の入札参加資格者名簿への登録、人員3名以上、ダンプ(2t以上)・バックホウ・ホイルローダー等各1台以上、カラーコーン20本以上、発電機(2.2KVA)1台以上など(町のページ)
- 計画では、建設業者など災害応急対策・復旧に必要な物資・資材・役務を供給する事業者は、災害時の事業活動の継続と、町の防災施策への協力を担うとされている(第1編 p.39)
小売2項目
- 宿泊施設や不特定多数の者が利用する施設の管理者は、発災後の利用者の混乱を防ぐため自らの施設機能を活用し、必要に応じて指定避難所に誘導する(第2編 p.182)
- 南海トラフ地震臨時情報が出たときに備え、スーパーマーケットなど不特定多数の者が出入りする施設や大規模な工場・事業所の管理者は、地震防災応急計画を作るとされている(第3編 p.295)
地震
町の地域防災計画(令和4年3月改訂)は、県の平成25〜26年度の地震被害想定調査にもとづき、11の地震(うち参考地震5)を挙げています。町の被害が最も大きいのは大正型関東地震です。町の計画には、町内の震度の幅の表は載っていません。
都心南部直下地震神奈川県西部地震大正型関東地震
建物の全壊(棟)
事業所の建物・設備
死者(人)
従業員・来客の安全
避難者(1〜3日目)(人)
従業員の生活と出勤
断水(直後)(人)
飲み水・トイレ・製造用水
停電(最大)(軒)
電気で動く設備・通信
都市ガスの供給停止(件)
熱源・空調・製造設備
表で見る
| 項目 | 都心南部直下地震 | 神奈川県西部地震 | 大正型関東地震 |
|---|---|---|---|
| 建物の全壊(棟) | 0半壊 60棟 | 20半壊 250棟 | 1,860半壊 1,360棟 |
| 死者(人) | 0重症者 0人 | 0重症者 0人 | 80重症者 30人 |
| 避難者(1〜3日目)(人) | 70うち避難所 40人 | 230うち避難所 140人 | 8,740うち避難所 5,240人 |
| 断水(直後)(人) | 10復旧まで 1日 | 370復旧まで 1日 | 18,130復旧まで 9日 |
| 停電(最大)(軒) | 10未満 | 60 | 14,110 |
| 都市ガスの供給停止(件) | 10未満 | 10未満 | 1,580 |
棒の長さは、項目ごとに比べています。「10未満」は県の表で「*」(1以上10未満)とされているもの。数値は1の位を四捨五入した値です。参考扱いの元禄型関東地震・相模トラフ沿いの最大クラスの地震は載せていません。
神奈川県「地震被害想定調査報告書(令和7年3月)」資料1 市区町村別の被害(p.10・p.30〜37・p.39〜40・p.58〜61・p.67・p.64)
- 都心南部直下地震復旧完了まで 1日
- 神奈川県西部地震復旧完了まで 1日
- 大正型関東地震復旧完了まで 9日
飲み水だけでなく、トイレ・手洗い・製造や清掃に使う水が止まります。従業員の水の備えと、水が要る業務の止め方を、断水が上の日数続く前提で決めておきます。
表で見る
| 想定地震 | 直後 | 1日後 | 4日後 | 30日後 | 復旧完了 |
|---|---|---|---|---|---|
| 都心南部直下地震 | 10人 | 300人 | 0人 | 0人 | 1日後 |
| 神奈川県西部地震 | 370人 | 2,060人 | 1,700人 | 0人 | 1日後 |
| 大正型関東地震 | 18,130人 | 3,230人 | 3,190人 | 80人 | 9日後 |
神奈川県「地震被害想定調査報告書(令和7年3月)」資料1 市区町村別の被害(上水道の被害 p.58〜61)
区内(市内)の250mメッシュ 79個(境目にかかるメッシュを除く)を、県の震度分布から当サイトが数えた割合です。場所ごとの震度は「自然災害リスクマップ」や拠点リスク確認で確かめてください。
神奈川県「地震被害想定調査(令和7年3月)」震度分布図(シェープ)、CC BY。当サイトが集計
平成25〜26年度調査との比較を見る
平成25〜26年度調査(市の計画のもと)令和7年調査冬18時の条件。令和7年調査の全壊は重複を考慮した値
全壊(棟)
死者(人)
停電(軒)
表で見る
| 項目 | 想定地震 | 平成25〜26年度調査 | 令和7年調査 |
|---|---|---|---|
| 全壊(棟) | 神奈川県西部 | 30 | 20 |
| 全壊(棟) | 大正型関東 | 2,530 | 1,860 |
| 死者(人) | 大正型関東 | 100 | 80 |
| 停電(軒) | 神奈川県西部 | 12,300 | 60 |
| 停電(軒) | 大正型関東 | 12,300 | 14,110 |
開成町地域防災計画 第1編 p.22「町の被害想定結果」、神奈川県地震被害想定調査 資料1(令和7年3月)p.10・p.35・p.67
くわしい数値と前提(4項目)
- 2つの調査は時期も手法も異なるため、差をそのまま被害の増減とは読めません。
- 関東大地震では、町で死者9人、全壊61棟、半壊162棟の被害がありました(第1編 p.14〜15)。
- 町は内陸にあり、参考地震の津波の被害は町まで及ばないとされています(第1編 p.23)。
- 県の令和7年調査の表(資料1 p.60)では、大正型関東地震の断水人口が30日後も80人とされる一方、復旧完了日は9日後とされています。神奈川県西部地震では1日後の断水人口が直後より多くなっています。断水の図は県の表の値のまま示しています。
風水害・冠水
町の東端を流れる酒匂川と、町内を流れる要定川・仙了川の洪水が想定されています。町内の水路があふれて道路が冠水することもあります。国の道路冠水注意箇所の一覧に、町内の箇所は載っていません。
国の資料には、開成町の箇所は掲載されていません。
国土交通省関東地方整備局「道路冠水注意箇所マップ【神奈川県】」令和8年6月1日作成
自治体独自の一覧は見つからず(2026年9月26日)
照合した資料:開成町洪水ハザードマップ(表・裏、平成31年2月発行・令和4年7月一部修正)の凡例と地図、開成町地域防災計画 本編・資料・様式編(令和4年3月改訂)の本文
照合の結果をくわしく見る
国(関東地方整備局)の道路冠水注意箇所の一覧には、開成町の箇所は載っていません。町の洪水ハザードマップの凡例には、冠水箇所やアンダーパスの印はありません。地図には「注意危険箇所」の印がありますが、種類の説明はなく、要定川・仙了川に架かる橋や酒匂川の十文字橋・新十文字橋などに付いています。地域防災計画と資料編にも、冠水箇所・通行止め箇所の一覧はありません。計画は、水辺スポーツ公園付近や河川・水路での道路冠水など局所的な被害の可能性があるとしています(第2編 p.52)。隣接する市町の国の一覧の箇所では、大井町の河原立体(No.19)と松田町の松田惣領(No.67、御殿場線架道橋下)が、酒匂川の対岸で町境から1km前後にあります(当サイトが国の一覧の座標と町のハザードマップの町境を比べた目安)。小田原市・山北町の箇所は3km以上離れており、南足柄市の箇所は国の一覧にありません。
- 風水害酒匂川(24時間総雨量530mm)、要定川(336mm)、仙了川(344mm)の想定最大規模の降雨で浸水想定区域があり、町のハザードマップには洞川(340mm)・狩川(364mm)の想定も重ねて載っている。酒匂川沿いには河岸侵食による家屋倒壊等氾濫想定区域がある開成町地域防災計画 第4編 p.321、開成町洪水ハザードマップ(令和4年7月一部修正)
- 風水害町内を流れる農業用の水路は幅0.5〜2m・深さ1m未満のものが多く、道路沿いや民家の間を流れるため、局所的な床下浸水や道路冠水の危険性がある。町の洪水ハザードマップは内水氾濫を考慮しておらず、内水の浸水想定区域図はない開成町地域防災計画 第1編 p.17、開成町「開成町洪水ハザードマップで洪水に備えましょう!」
- 土砂災害県の土砂災害警戒区域等告示図書(開成町)の表は「小計 0箇所」で、町内に土砂災害警戒区域・特別警戒区域はない神奈川県 土砂災害警戒区域等告示図書(開成町)
想定の前提と避難場所(4項目)
- 想定最大規模の降雨は、酒匂川が24時間総雨量530mm(平成29年3月31日指定)、要定川が336mm(平成30年7月27日指定)、仙了川が344mmです(第4編 p.321)。
- ハザードマップの基準水位は、酒匂川で避難判断水位2.8m・氾濫注意水位2.3m、要定川で避難判断水位1.2m・氾濫注意水位1.1mです(開成町洪水ハザードマップ 裏面)。
- 浸水のおそれがあるときに指定避難所へ行くのが難しい場合に備え、町は町内の事業所などと「浸水災害発生時一時避難場所」の協定を結んでいます。ハザードマップには7か所が載っています(第4編 p.334、ハザードマップ 裏面)。
- 令和元年の台風第19号では、町が初めて警戒レベル3(高齢者等避難)を出し、十文字橋を閉鎖しました。平成22年の台風第9号では、町内の水路があふれて床下浸水4戸と田畑・道路の冠水がありました(第1編 p.15〜16)。
帰宅困難者
町内の鉄道駅は小田急線の開成駅です。町は「むやみに移動を開始しない」という基本原則を周知し、町内の事業所・学校などに、従業員や訪問者・利用者の一斉帰宅の抑制と一時収容を要請するとしています。
通勤・通学の帰宅困難者(直後)
1,310人
県 令和7年調査。三浦半島断層群の地震(0人)を除く各地震で同じ値。1日後は大正型関東地震で890人
神奈川県 地震被害想定調査 資料1 p.51
観光客の帰宅困難者(直後)
590人
県 令和7年調査。三浦半島断層群の地震(0人)を除く各地震で同じ値。1日後は大正型関東地震で400人
神奈川県 地震被害想定調査 資料1 p.51
開成町「開成町の概要」Ⅵ 統計 8-1「開成駅乗車人数」p.35(出典:県勢要覧(小田急電鉄㈱交通企画部調))の令和5年度の値 2023年度
くわしい数値と前提(3項目)
- 町の計画(平成25〜26年度調査)では、帰宅困難者は各地震とも直後1,330人です(第1編 p.22)。
- 町の計画では、開成駅の令和元年度の1日平均乗降人員は12,350人です(第1編 p.12)。
- 町は県と連携して帰宅困難者の一時滞在場所の確保を検討し、鉄道事業者・松田警察署・事業所・自主防災組織などと協力して誘導体制をつくるとしています。事業所や学校にも、施設の外から来た避難者や帰宅困難者への対応を決めておくよう要請します(第2編 p.91)。計画と資料編に一時滞在施設の名前は載っていません。
地域防災計画が事業所に求めていること
計画の本文を要約しています。正確な文言は、記載箇所の原文で確認してください。
- 01日頃から、管理する施設・設備の耐震性の確保、食料・飲料水等の備蓄、消火・救出救助等の資機材の整備に努め、従業員の防災訓練や研修を積極的に行う開成町地域防災計画 第1編第4章第3節第2① p.31
- 02災害対策の責任者を定めて従業員のとるべき行動を明確にし、地域住民・自主防災組織と連携して地域の防災活動に参加する体制を整える。燃料・電力等の重要なライフラインの供給不足への対応や、取引先とのサプライチェーンの確保を続ける同 ② p.31
- 03災害が発生したときは、従業員等の安全を確保し、帰宅困難者にならないような措置を講じる。地域住民・自主防災組織と連携して、情報の収集・伝達、消火、救出救助、応急手当、避難誘導等を行う同 ③ p.31
- 04町が行う訓練や災害対策に協力する。酒匂川の氾濫などで浸水の被害が起きたときは、町内に高層の施設を持つ事業所は、町民の一時避難場所として施設の提供に協力する同 ④⑤ p.31
- 05防火管理者を選び、消防計画の作成、訓練、消防用設備の点検・整備、防災資機材や食料等の備蓄、事業継続計画(BCP)の作成などを行う。一定規模以上の事業所は自衛消防隊を置き、ほかの事業所も町の防災訓練への参加や従業員の消防団への参加を促される第2編第1部第3章第17節第5 p.110
- 06重要業務を継続するためのBCPを策定・運用し、防災体制の整備、防災訓練、事業所の耐震化、予測被害からの復旧計画の策定、各計画の点検・見直しに努める第2編第1部第3章第20節第5 p.118
- 07発災時は災害関連の情報を集めて組織内に伝える。「むやみに移動を開始しない」という基本原則のもと、施設の安全が確認できた場合は、公共交通機関の運行情報などから施設利用者が安全に帰宅できると確認できるまで建物内にとどめる。要配慮者への対応を徹底する第2編第2部第2章第7節第5 4(2) p.182
- 08避難するときは、危険物等の流出防止と、電気・ガス等の保安措置をしてから避難する第2編第2部第2章第7節第5 p.181
- 09危険物施設などの事業所は、施設の耐震化、危険物の流出防止等の安全対策と、緊急保安体制の確立、防災訓練、防災資機材の整備など必要な措置を行う第2編第1部第2章第5節第3 p.60〜61
- 10南海トラフ地震臨時情報が出たときの災害防止と混乱の回避のため、不特定多数の者が出入りする施設、大規模な工場、事業所、危険物の製造施設などの管理者は、地震防災応急計画を作る第3編第2章第2 p.295
- 11浸水想定区域内の要配慮者利用施設の所有者・管理者は、避難確保計画を作って避難誘導等の訓練を行い、計画と自衛水防組織の構成員などを町長に報告する第4編第1部第2章第1節第8 6(3) p.322
支援・確認先
BCPづくりに使える制度
開成町
町内に店舗・工場を持つ中小企業者で、町に1年以上居住し、1年以上同一事業を営むなどの要件を満たす方が対象。運転資金500万円、設備資金・運転設備併用資金800万円まで、年2%、運転資金5年以内・設備資金等7年以内(6か月以内の据置き)。申込先はさがみ信用金庫 開成町支店(82-2391)・中栄信用金庫 開成支店(83-3366)
開成町
指定された災害等(地震、台風等)の影響を受けた中小企業者向けの信用保証協会の保証。災害等の後の最近1か月の売上高等が前年同月より20%以上減り、その後2か月を含む3か月でも20%以上の減少が見込まれることなどが認定基準。利用には事業所所在地の市町村長の認定が必要
神奈川県
県内に事業所がある中小企業者等に専門家を無料で派遣。原則3回以内(リスクファイナンス判断シートを使う場合は4回以内)。申込先は公益財団法人神奈川産業振興センター(045-633-5200)
神奈川県
BCPの策定やBCPに基づく対策を行う中小企業者等が対象。融資限度額8,000万円(令和8年度 制度融資一覧表)
中小企業庁
中小企業者等が防災・減災の事前対策に関する計画を作成し、経済産業大臣の認定を受ける制度
足柄上商工会
足柄上商工会と中井町・大井町・松田町・開成町の計画で、令和4年9月8日に県の認定を受けた(実施期間は令和9年3月31日まで)。開成町については、浸水が想定される地域に量販店を含む小売業・飲食業のほか製造業や研究施設があるとしている。小規模事業者のBCPや事業継続力強化計画の策定を支援するとしている。町の計画では、足柄上商工会開成支部 町商工振興会が、町の商工業関係の被害調査と応急対策、救助用物資・復旧資材の確保に協力するとされている(第1編 p.38)。足柄上商工会の電話 0465-83-3211
開成町の確認先
- 開成町地域防災計画(令和4年3月改訂)本編(第1〜6編)と資料・様式編のPDF
- 防災(開成町)町の防災情報の一覧。担当は地域防災課(0465-84-0326)
- 開成町富士山火山避難計画を策定しました概要・本編・別紙のPDF
- 防災行政無線の放送内容が確認できます(開成町)直前の放送内容をフリーダイヤル(0120-173-178)で確認できる。放送後24時間で消える。登録した携帯電話などに配信する「開成町あんしんメール」もある
- 避難所の開設・混雑状況の確認(開成町)町が避難所を開くとき、VACAN Mapsで開設・混雑状況を確かめられる
- 洪水時に避難する時の計画(避難確保計画)を作成してください。(開成町)要配慮者利用施設向けの様式・記入例・チェックリスト
- 災害時における応急対策業務に関する協定について(開成町)
- 開成町災害時における応援協定について町が結んでいる災害協定の一覧(令和8年4月現在85協定)
- 土砂災害警戒区域等告示図書(開成町)(神奈川県)表は「小計 0箇所」
- 南海トラフ地震臨時情報が出たときの事業所の対応当サイトの記事。開成町は推進地域に入っている
- 相模川・酒匂川の洪水浸水想定と事業所当サイトの記事
- 富士山噴火の降灰が事業所に与える影響当サイトの記事
- 富士山の降灰と物流当サイトの記事
- 介護施設の避難確保計画と避難訓練当サイトの記事
- 一斉帰宅の抑制と従業員の待機当サイトの記事
- 地区防災計画ライブラリ(関東)(内閣府)2026年9月26日の確認では開成町の地区は載っておらず、町の地域防災計画にも地区防災計画の記載は見当たらなかった。町内の14地区すべてに自主防災組織がある(第2編 p.108〜109)。地区防災計画は地区の居住者と事業者が作成でき、事業所も地区の訓練や計画づくりに参加できる
開成町の家庭向けの防災の補助金
従業員の自宅の備えや、店舗・事務所と兼ねた建物の対策に使える制度です。対象になる人や建物の条件は制度ごとに違うので、制度の名前から条件と申請の流れを確かめてください。
防災用品の購入
購入価格(税込)の2分の1(100円未満切捨て)、上限3,000円。1人あたり1つまで(送料・手数料・ポイント・クーポン利用分は対象外)
開成町の公式ページ 2026年9月23日確認
出典:同じ運営者の家庭向けサイト「防災備蓄診断 神奈川県の防災補助金」(制度ごとに自治体の公式ページで確認。確認日 2026年9月23日、当サイトへの反映 2026年9月29日)。金額や受付期間は年度で変わるので、申請の前に自治体に確かめてください。
出典(29件)
- 開成町防災会議 令和4年3月改訂開成町地域防災計画 第1編 防災対策の計画的推進p.5・p.10〜12・p.14〜23・p.31・p.38〜39(紙面の頁とPDFの頁は同じ)
- 開成町防災会議 令和4年3月改訂開成町地域防災計画 第2編 地震災害対策編 第1部 災害予防計画紙面の頁(PDFの頁は42少ない)。p.52・p.54・p.56・p.60〜61・p.91・p.108〜110・p.118
- 開成町防災会議 令和4年3月改訂開成町地域防災計画 第2編 地震災害対策編 第2部 災害時応急対策計画紙面の頁(PDFの頁は124少ない)。p.181〜182
- 開成町防災会議 令和4年3月改訂開成町地域防災計画 第3編 南海トラフ地震防災対策推進計画編紙面の頁(PDFの頁は286少ない)。p.289・p.295
- 開成町防災会議 令和4年3月改訂開成町地域防災計画 第4編 風水害対策編 第1部 災害予防計画紙面の頁(PDFの頁は310少ない)。p.317〜318・p.321〜322・p.333〜334
- 開成町防災会議 令和4年3月改訂開成町地域防災計画 第5編 富士山火山防災対策編紙面の頁(PDFの頁は380少ない)。p.383・p.404・p.406
- 開成町防災会議 令和4年3月改訂開成町地域防災計画 資料編 15.自主防災組織関連〜18.災害協定関連資料17-7 浸水想定区域内の要配慮者利用施設一覧表 p.92〜94、資料18-1 開成町災害協定締結状況一覧表 p.95〜98
- 開成町 令和5年6月開成町富士山火山避難計画紙面の頁(PDFの頁は5少ない)。表1 p.3、表2 p.4、p.5・p.40・p.44
- 開成町 平成31年2月発行(令和4年7月一部修正)開成町洪水ハザードマップ(表・裏)
- 開成町 2021年4月1日更新富士山ハザードマップが改定されました
- 神奈川県 令和7年3月神奈川県地震被害想定調査 資料1 市区町村別被害想定結果一覧PDF p.10・p.35・p.51・p.60・p.67(開成町の行)
- 神奈川県土砂災害警戒区域等告示図書(開成町)
- 国土交通省関東地方整備局 令和8年6月1日作成道路冠水注意箇所マップ【神奈川県】
- 開成町 2025年8月29日更新開成町で道路構造物等を損傷または汚損したときの報告について
- 神奈川県 2026年8月3日更新県西土木事務所
- 開成町 2025年12月15日更新開成町の概要(令和7年度版)Ⅵ 統計8-1 開成駅乗車人数 p.35
- 開成町 2025年3月29日更新防災行政無線の放送内容が確認できます
- 開成町 2026年7月8日更新避難所の開設・混雑状況の確認
- 開成町 2022年2月21日更新洪水時に避難する時の計画(避難確保計画)を作成してください。
- 開成町 2025年3月30日更新災害時における応急対策業務に関する協定について
- 開成町 2026年4月1日更新開成町災害時における応援協定について
- 開成町 2026年3月10日更新開成町中小企業小口資金融資制度
- 開成町 2025年3月30日更新セーフティネット保証制度及び危機関連保証(認定制度)
- 神奈川県 2026年8月18日更新小規模事業者支援法に基づく「事業継続力強化支援計画」について
- 足柄上商工会・中井町・大井町・松田町・開成町 令和4年9月8日認定事業継続力強化支援計画 別表1〜3(足柄上商工会)別表1 PDF p.6(開成町の災害リスク)・p.9(開成町の商工業の特性)・p.12(事前の対策)
- 足柄上商工会足柄上商工会
- 神奈川県BCP作成等支援専門家派遣事業
- 神奈川県 2026年4月1日現在令和8(2026)年度神奈川県中小企業制度融資一覧表
- 内閣府地区防災計画ライブラリ(関東)